粉体塗装 Powder Coating
粉体塗装とは
About
Powder Coating
一般的な塗装に使用する「塗装」は
顔料(色)が溶剤に溶け込んだものが大半であり
液体塗料や溶剤塗料と呼ばれます。
塗装後に溶剤が乾燥・揮発することで
塗料が製品に定着(塗膜が形成)することが
本来の通常の塗装の在り方です。
一方、三愛工業所の「粉体塗装」は
粉状の顔料を吹き付けて
製品に塗膜を形成する手法であり、
文字通りに「細かい粒子で表面をコーティングする」
というイメージが近いです。
溶剤を使用せずに粉状で顔料が定着する理由は
粉体塗装の独特なメカニズムが関係しており、
アースされた製品(金属)は、
元々プラスの電気を帯びているのに対して
マイナスの電気を与えた顔料(粉状)を
吹き付けることで表面に定着する理屈となります。
また、更にオーブンで加熱(焼き付け)することで
顔料が融解し、化学反応によって高分子ポリマーが
ネットワーク状の組織を形成することで
均一で丈夫な塗膜が定着され、防錆性を発揮します。
電車のレールやエクステリア用品など
耐候性や防錆性が求められるような塗装には
広く「粉体塗装」が採用されています。
粉体塗装のメリット
Powder Coating
Merit
分厚い塗膜
粉体塗装の場合、
1回の塗装で40~150ミクロンの塗膜を作られ
これは溶剤塗装の約4~5倍の厚みとなります。
加えて塗膜自体も強度があるので、
キズに対しては非常に強い塗装と言えます。
更に、耐熱性、耐油性にも優れている為
自動車部品などの過酷な環境で使用する製品に
最適な塗装として利用しています。
優れた防錆能力
実は粉体塗装の歴史の中に
「錆止め塗料」として普及した経緯もあり
溶剤塗料に比べ塗膜が厚く
更にピンホールなどの少ない為
空気に触れにくく錆びにくい特徴があります。
ガードレールやエクステリア用品など
耐候性が求められる製品にも最適です。
柔軟性の高い塗膜
粉体塗装はキズに強い特徴以外に
塗膜自体が柔軟性を持っていることも
特徴の一つとして挙げられます。
溶剤塗装の場合、
屋外などの温度差の激しい環境に
長時間放置すると金属の伸縮に対応できず
塗膜にひびが入ることも少なくありません。
粉体塗装は柔軟性も保有している為、
ひび割れも起きづらく、
結果として寿命を長くすることが出来ます。
環境に優しいエコ塗装
有機溶剤と全く使用しない為
中毒や火災などの塗装作業におけるリスクも
大きく低減することが可能です。
また、揮発することが無いことに加えて
塗料自体の回収も可能な為、ロスも少ないです。
大気汚染や汚水の問題もクリアした
環境にも生態系にも優しいエコ塗装です。